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企画:JUNPY
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「BBQ用金網で「極軸合わせ」が不要になるのか」大実験! | ||
実験者:JUNPY▶ (福岡県 since 2021) (以下、細野晴臣のナレーションで) 何をしているの? 極軸合わしてるんだ。 苦労してるね。 大丈夫? 天体マニアなら誰もが必要不可欠だと信じて疑わない神聖なる儀式「極軸合わせ」 でも、それは本当なのでしょうか? 答えは、やってみなければ分からない。 天体大科学実験で。 慣れれば、それほど面倒にも感じないけれど(それどころかゲーム感覚で楽しめることもある)、それでも省けるなら省きたい「極軸合わせ」。 特に面倒に感じるのは、自宅のベランダなどで銀河星雲撮影する時。 つづき▼▲ 毎回同じ場所にもかかわらず、毎回「極軸合わせ」をしなければならない! よく考えたら一度ベランダで「極軸合わせ」に成功したのなら、そこから機材を動かさなければ(つまり放置しておけば)、次回、「極軸合わせ」は不要になるはず。 よって「極軸合わせ」が不要になる方法その1は「極軸合わせ済の機材一式をベランダに固定して放置すること」。 でも、天体望遠鏡やカメラなどの精密機器をベランダに放置して、雨風にさらしたくはないよね。 そこで、方法の2つ目として考えらるのが「極軸合わせ済の三脚だけをベランダに固定して放置し、撮影の時だけ、その上に赤道儀と望遠鏡を乗せる」というやり方。 でも、実際これをやってみると、三脚も少しづつズレてくるし、銀河星雲撮影をする時以外は放置三脚は邪魔になってくるし、なにより、三脚を風雨にさらすのは、いつも頑張ってくれている三脚に申し訳ない。 そこで、方法の3つ目として考えられるのは、一度「極軸合わせ」で成功した際の三脚の位置をベランダの床に記憶させ、次回、撮影する際は、その記憶させた位置に三脚と機材をのせる!というやり方。 では、どうやって「ひらぺったく、何の目印もないベランダの床に三脚の位置を記憶させたらいいんだろう?」となる。 真っ先に思いつくのは、ベランダの床に三脚の足の位置をマジックでマーキングする方法。 実際、やってみた(笑)。 でも、賃貸マンションのベランダの床に油性マジックで印を付けるのは気がひけたし、それになにより、マジックの印では、正確に三脚の足を前回と全く同じ位置に設置するのは無理があった。さらに、しっかりと固定されるわけではないので、その位置合わせも、かなり神経を使った。よって、これも、あまりよろしくない解決法だとわかった。 理想の固定法は「何も考えず、三脚が所定の位置にスポッ!と収まり、何の苦労もなく、瞬間的に固定できてしまう方法」。 理想の形が見えた瞬間、あるアイデアが頭に浮んできた。 多数の穴の空いた板のようなものをベランダの床に置き、その上に置いた三脚上で、まずは「極軸合わせ」を成功させる。成功したら、足を突っ込んだ3つの穴にマジックで印を付け、次回は、その印を付けた3つの穴に三脚の足をスポッ!と入れ込み、機材を上にのせるだけで、「極軸合わせ」不要で銀河星雲撮影が安定して行えるじゃないか!というもの。 思いついたと同時にワクワクしてきたね。 果たして、そんな方法で、銀河星雲撮影に不可欠な神聖な儀式「極軸合わせ」が不要になるんだろうか? やってみなくちゃ分からない天体大科学実験で。 早速材料集め開始! 三脚の足がすっぽりと入るぐらいの大きさの穴が多数空いた木製の板?金属のプレート?って、どこで売ってるんだろう? 困った時は、まずはアマゾンで探す、だよね。 アマゾンの検索窓に「穴 プレート」と入れて、検索。 うーん、なかなか、イメージどおりのものは出てこない。 そこで今度は「穴 板」と入れて、検索すると、このようなものが見つかった。 ステンレスパンチング(1,073円) コチラ よさげに見えたけど、このプレート、厚みがほとんどないので、三脚をガシッ!と固定しずらいんじゃないか?と思い、他を探してみた。 穴がたくさんあいている、厚みの少しある金属製のプレート。 でも、そんな都合のよいプレートはアマゾンでは見つからなかった。 こういう時は、ダイソーに行くに限るよね!(笑)。 ダイソーの売り場を見て回るだけで、いろんなヒントが得られるからね。 そして、実際に、いろんな売り場を見てまわった中で、目にとまったのがコレ。 ジョイント収納すのこ(100円) コチラ コレだ!コレ!と一人、ダイソーの売り場で歓喜したね。 ジョイント式だから、持って帰る際もかさばらないし、ベランダの大きさに合わせて自由に大きさを変更できる。 厚みもあるので、三脚の足もスッポリと入りそう。しかも1個100円。 ベランダの大きさに合わせ、全部で12枚購入。計1200円也。 ダイソー、最高だね! 早速帰宅して、鼻息荒く組み立て、ベランダに設置。 うん、なかなか、いいぞ。 が! このスノコの上を歩いてみると、素材が柔らかいので、どうも歩きづらいことが判明(銀河星雲撮影しない時は普通にベランダとして使うので、この点、重要)。 そこで、スノコを裏返しにして設置してみた。 すると、スノコの上を歩いてもグラグラはしなくなったけれど、その上を裸足で歩くと痛い!(裸足で歩くことはないんだけれど)。 それに見た目がよくない!(笑)。 いけるかなーと思ったけれど、あまり美しい形にならなかったので、別の方法、材料を考えてみる。 再度、ダイソーへ。 すると、今度、目に入ってきたのがコレ。 バーベキュー網50×30cm(100円) コチラ そうか。 網、という発想があるか!とアハ!体験。 しかし、ダイソーのこの網はサイズがちょいとばかり小さい。 ベランダに設置するとなると、4枚を組み合わせる必要があった(枚数が多くなれば、それだけ、ゆがみが大きくなり、設置位置もズレが出てくる)。 そこで、今度はアマゾンで「バーベキュー 網」で検索し、2枚組み合わせればイケそうな、これを発見。 キャプテンスタッグ グレービー バーベキューアミ3号 700×450mm M-6593(1,027円) コチラ これを2枚購入し、2枚の間を金属のこよりのようなもので結合し、完成。そしてベランダの床に設置し、四隅をこれまたダイソーで見つけた 戸当たりの防音テープ(100円) コチラ で、しっかり固定。 その上で、とりあえず、望遠鏡が大体、北向きになるように、三脚の足を金網の3つの枠に入れ込んだ上でドリフト法で極軸合わせ。極軸合わせに成功したら、3つの足を突っ込んだ3つの枠のところに、とりあえず印を付けた。 そして、三脚の足がスポッ!と簡単に固定できるように、これまたダイソーで見つけた 両面ハトメ 10ミリ 25個入(100円) コチラ 打撃型 両面ハトメ 工具セット 10mm(100円) コチラ を使って、印を付けた3つの枠にしっかると留めた。 実際、三脚の足をつっこんでみると、これが、まあよく、簡単にスポッ!と固定できること、できること! そして、これが、その全景。 これにより、三脚の足を苦労しなくても簡単に固定できるようになった。 そして、この金網の上をベランダ用サンダルで歩いても全く違和感がない! そして、肝心の「極軸合わせは不要」になったのか!? 不要に・・・・なった!!!! 快適この上なし! 特にベランダからは北極星が見えないため、ドリフト法という面倒な方法で極軸合わせをしなけれならない環境。そのような環境の中、1回でもドリフト法での極軸合わせを成功させれば、以後は、極軸合わせ不要で、安定して青線、赤線が推移し、問題なく銀河星雲撮影が継続してできている! ただし、銀河星雲撮影のために遠征に行くこともあるため(機材のズレをなくすため)、以下のようなこともすることになった。 ●遠征専用の三脚の購入 (遠征に行くと必ず水平をとるために、三脚をいじることになる。三脚をいじるとベランダで撮影した時とは様々な狂いが出てくる) ●遠征専用の微動雲台の購入 (遠征に行くと必ず極軸合わせのために微動雲台をいじることになる。微動雲台をいじると、その時点でベランダで合わせた時とは位置がズレてくる) ●遠征専用のエクステンションピラーの購入 (上記同様の理由) ●ベランダ専用の「三脚」「エクステンションピラー」「微動雲台」は常に接続しておき、それぞれの位置がズレないようにする。また、もし位置がズレた場合も、元の位置に戻せるように、それぞれの接合部に目印の矢印シールを貼る。 ベランダでの極軸合わせをなくすために、少しばかり費用はかかるけれど、毎回、極軸合わせ(しかもドリフト法)をすることを考えたら、痛くも痒くもない! それほど、極軸合わせ不要の銀河星雲撮影は快適! なんたって、一体化した「三脚」「エクステンションピラー」「微動雲台」を押入れから取り出し、三脚の足を3つの穴にスポッ!と入れ込み、その上に天体望遠鏡をセットし、ASIAIR PROの電源を入れるだけで、すぐに撮影したい銀河や星雲に直行し、撮影を開始できるのだから。 これを一度体験すると、もう元には戻れない! 今回の大実験で、BBQ用金網を使えば(笑)、全く同じ場所なのであれば、やりようによっては、必要不可欠だと思われていた「極軸合わせ」が不要になることが分かった。 だから、やってみなくちゃ分からない。 天体大科学実験で。 参考 動画 2021年10月20(水)
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