第44話 「アンドロメダ銀河撮影実験 その8」


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第44話 「アンドロメダ銀河撮影実験 その8」
アンドロメダ銀河の渦を写すべく新たな撮影用CMOSカメラを物色!

が、天体初心者にとって、天体望遠鏡と同様、どのカメラも同じに見える(実際、ZWOのカメラは見た目、どれもほとんど変わらない)。



そこで、アンドロメダの渦を写すために重要になってくる仕様は何か?と考えた時・・・


●光センサーの全体サイズ
・これにより撮影できる天体のサイズが決まる
・アンドロメダ銀河の全体が写せるセンサーが採用されているカメラを購入する必要あり
●光センサーの画素密度
・これにより画像のきめ細かさが決まる
・綺麗なアンドロメダ銀河の画像を得たいなら、画素密度の高いカメラを購入する必要あり
●光センサーの感度(どれぐらいの暗さまで映像化できるかが決まる)
・銀河の渦を写したいなら、感度のできるだけ高いカメラを購入する必要あり


まず「全体サイズ」に関してはZWOのホームページで分かる。
「画素密度」に関してもZWOのホームページで分かる。



が、「感度」に関しては「Full well」という数値と「SNR1s」という数値があるようで、どちらの数値を参考にしてカメラ選びをすればよいのか迷ったが、「ほしぞloveログ」さんの「電視に限って言えばSNR1sの値で性能が決まってしまうといってあまり間違いがなさそうな印象です」という言葉があり コチラコチラ 「SNR1s」の数値を参考にすることにした。

が、ZWOのカメラ販売ページをチェックしてもカメラ毎の「SNR1s」の数値は表示されていない。

そこで「SNR1s」という数値について調べた結果、以下のことが分かった。

●「SNR1s」という指標は光センサーメーカー、ソニーの独自指標
●ZWOのCMOSカメラに採用されている光センサーは全てソニー製
●ZWOのCMOSカメラは、その型番の数値部分が一致するソニーの光センサーが使われている(例:カメラ「ZWO ASI385MC」に使われているのは、ソニーの「SONY IMX385」という光センサー、といった具合)
●ZWOのCMOSカメラに使われているソニーのセンサーはどれも監視カメラ用に作られたセンサー(監視カメラって確かに暗い対象を写すのに向いてるのかもしれないけど、画像が粗い印象。偏見?)
●各々のセンサーの「SNR1s」値はソニーのホームページで知ることができる コチラ
●各々のセンサーの「SNR1s」値を感度順に並び替えてくれている人がいた! コチラ
これを見ると「ZWO ASI385MC」はかなり感度のよいセンサーが使われているカメラだとわかった

さて、これでカメラ選びができるぞ!と思った、次の瞬間、以下のことにふと気づいた。

数値を比較してカメラを選ぶよりも(面倒だし、スペックどおりに写るとは限らない)、アンドロメダ銀河の渦が写っている天体写真を画像検索で探し、その際使われているCMOSカメラがどれなのか?を調べた方が確実だし簡単じゃね?と(笑)
(「SNR1s」についてあれこれ調べたのは、一体、なんだったんだ?w)

そこで、Google画像検索で「アンドロメダ銀河 ZWO」で検索し、どのカメラがよく使われており、且つ、どのカメラが評判がよく、どのカメラがコスパが高いかをチェックしたところ「ZWO ASI 294MC」というCMOSカメラが候補として上がってきた。

その上で改めてGoogle画像検索で「アンドロメダ銀河 ZWO ASI 294MC」で検索したところ・・・





ちみみに「ZWO ASI 294MC」の仕様は以下。

センサー全体サイズ:19.1 × 13mm(面積比で「ASI385MC」の4倍以上)
解像度:4144 × 2822 (高密度)
SNR1s:0.14(「ASI385MC」とほぼ同じで高感度)

かなりよさげ。

が、ネットショップで価格をチェックしたところ、10万超え(笑)

主役の天体望遠鏡とほぼ同じ価格じゃないか!と憤った(憤る必要なしw)

小さな赤い缶缶1つに10万も出すか?と逡巡したが、アンドロメダの渦を写せるなら仕方ない、と発注。

そして3度目の正直だ!とばかり、次の遠征のための新たな撮影場所を探した。
宮古島に再度飛ぶわけにもいかないので、近場で暗い場所を探したところ、完成直後の「小石原川ダム」の広い駐車場を発見!



今度こそ、アンドロメダの渦は写せるのか?

つづく

  ※教える▶ tweetLINEで送る   2023.08.07
銀河星雲マニア