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第34話 「極軸合わせ省略大実験 その1」
長時間オートガイド撮影ができるようになった後、真っ先に取り組んだのが「極軸合わせ省略大実験」だった。

毎回同じベランダの同じ位置で銀河星雲を撮影する際も、毎回、同じ「極軸合わせ」という作業を繰り返さなければならないのは面倒。こんなのどう考えたって、人生の時間の無駄。



そこで、前回と同じ場所で撮影する際は「極軸合わせ」を省略できるアイデアはないものか?と考えるようになった。

最終的には素晴らしい解決法を思いついたものの、そこに至るまでは苦労の連続だった(同時に楽しい実験の連続でもあった)。また、このアイデアはマンション住まいの全天体マニアにとっても有益な情報だと思うので、この連載の中で紹介しようと思う。

ついては、これから数回にわたって、最終的な解決法を編み出すまでの過程と、その具体的方法をNHKの番組「大科学実験」風に紹介していく。

ちなみに、NHKの「大科学実験」とは、こんな番組。

動画

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天体大科学実験
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(以下、細野晴臣のナレーションで)

何をしているの?
極軸合わしてるんだ。
苦労してるね。
大丈夫?

天体マニアなら誰もが必要不可欠だと信じて疑わない神聖なる儀式「極軸合わせ」
でも、それは本当なのでしょうか?
答えは、やってみなければ分からない。
天体大科学実験で。

慣れれば、それほど面倒にも感じないけれど(それどころかゲーム感覚で楽しめることもある)、それでも省けるなら省きたい「極軸合わせ」。
特に面倒に感じるのは、自宅のベランダなどで銀河星雲を撮影する時。

毎回同じ場所にもかかわらず、毎回「極軸合わせ」をしなければならない!
よく考えたら一度ベランダで「極軸合わせ」に成功したのなら、そこから機材を動かさなければ(つまり放置しておけば)、次回、「極軸合わせ」は不要になるはずだよね。

そこで、最初に思いついたのが・・・

1)「天体機材放置法」
これはアイデアと呼べるようなものではないけれど、一度、極軸合わせを済ませ、銀河星雲を問題なく撮影できた機材を、そこに放置したままにする、という方法(笑)。
一度、極軸合わせに成功している機材なら、そこに放置したままにすれば、極軸はそのままなので、次回の撮影時も、極軸合わせ不要で撮影が行えるだろう、というもの。
が、この方法、雨が降った際、機材がびしょ濡れになり故障の原因になりかねないので、思考実験の段階で却下。

次に思いついたのは

2)「三脚だけ放置法」
「極軸合わせ済の三脚だけをベランダに放置し、撮影の時だけ、その上に赤道儀と望遠鏡を乗せる」というやり方。これで大切な機材は守れる。
しかし、この場合、三脚の位置は少しづつズレてくるし、銀河星雲撮影をする時以外は放置三脚が邪魔になるし、なにより、三脚を風雨にさらすのも、いつも頑張ってくれている三脚に申し訳ない。
よって、このアイデアも思考実験の段階で却下。

どちらにせよ、大切な機材を屋外に放置はいけないね。
機材を放置せず、必要な時だけ屋外に出し、それでいて極軸合わせが不要になる方法はないものか?

そして次に思いついたのが・・・

3)「マジックマーキング法」
(名前からわかるとおり、これもかなり安易なアイデア)

つづく

  ※教える▶ tweetLINEで送る   2023.07.22
銀河星雲マニア