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第38話 「アンドロメダ銀河撮影実験 その2」
価格2倍の天体望遠鏡に買い換えたら、写りは2倍よくなり、アンドロメダ銀河の渦も写るようになるのか?

天体大科学実験!

まずは手元に届いたタカハシ「FC-60CB」(12万円)と、半分の価格のSky-Watcher 「EVOSTAR72ED II」(5万円)との価格差が、一体、どこにあるのかチェックした。



口径も焦点距離もレンズ構成も、大差はないのに価格は2倍の開きがある。
差があるなら望遠鏡の造りにあるハズ。

実際、両機を手に取り触ってみて、作り込まれ具合、質感を比べたところ・・・・
文句なく、タカハシの方に軍配が上がった(そうでなくては困る)。

わかりやすく言えば、タカハシから受ける印象がiPhone(シンプル&リッチ)だとすれば、Sky-Watcherから受ける印象はアンドロイド(全アンドロイダー、全Sky-Watcherユーザーを敵に回すのか?w)。

実は「Sky-Watcher」に関しては「タカハシ」到着まで、何の不満も持ってはいなかった。それどころか、これが銀河星雲撮影向きの本格的な天体望遠鏡か!(JUNPYにとって初の本格的な天体望遠鏡だった)と、その鏡筒に惚れ惚れしていた。
が、タカハシが到着し、両機を比べられるようになった瞬間「Sky-Watcher」が実はチープな造りであることが一瞬で理解できた(笑)。

最もそれを感じたのが、ドローチューブ部分。



「Sky-Watcher」はドローチューブ部分の出し入れを、単に平らな金属板の摩擦を利用し実現しているのに対し(この構造の場合、持ち運ぶ際に、ヘタすると外部圧力によって、ドローチューブが簡単にズレ、せっかく合わせたピントがおじゃんになる)、タカハシは歯車を利用して実現しており、そう簡単にはドローチューブがズレない造りになっていた(実は、この造りの違いが、後々、鏡筒寿命において天と地の違いを生み出すことになった)。
「Sky-Watcher」というメーカーは安価に良いものを提供するメーカーとして信頼していたが(特にAZ-GTiは安価で軽量な赤道儀としてほとんど唯一無二の存在)、安価を実現するための皺寄せが、こんな部分に来てるんだなと感じた。

実は、この趣味に足を突っ込んで間もない頃は、どの天体望遠鏡も見た目、同じようにしか見えなかった。子供の頃、外人の顔がどれも同じ(かっこいい顔=トムクルーズ)にしか見えなかったアレと同じだ。



が、多くの外人の顔を見るにつれ、ああ、外人にもイケメンとブサイクがいるのだなと分かってるくるのと同様、天体望遠鏡(の外観写真)も多く見ていくと、少しずつ目が肥えてきて、よさげな望遠鏡と、そうじゃない望遠鏡の見分けがだんだんついてくるようになる。



例えば最近、JUNPYが大注目しているのが「SHARPSTAR」社の天体望遠鏡だ。
まず、このSHARPSTAR「61EDPHII」という鏡筒の外観を見て欲しい。


この外観写真を見ただけで、JUNPYは、この鏡筒、他の鏡筒とはチト違うぞ、と感じた。
実際、その造りを詳しく見ていくと、この鏡筒、フードが伸縮式になっており、旅行がてらスーツケースにしのばせる時、とても重宝すると思った。



ドローチューブ部分は、こうなっている。



なんと、メモリが付いている!
(ピントが合った位置に、ドローチューブにいちいち鉛筆で印をつけているJUNPYにとって、こういう細かい配慮はありがたい!)

そして、ドローチューブを動かす部分はこうなっている。


見るからに、しっかりとした造りに見える。
もしかして、タカハシ以上?

そして、極め付けは「取っ手」。



いつも、鏡筒を持ち運ぶ時、持つ場所に迷う。
その点、この鏡筒は迷わず取っ手を持てる!
(この取っ手、全メーカーに見習って欲しい)
しかも単なる取っ手じゃない!
ガイドスコープやASIAIRなどを簡単に取り付けられる溝まで掘ってある!

なぜか、タカハシの鏡筒造りのよさを伝えるつもりが、途中からSHARPSTARの鏡筒造りのよさに話がズレてきたが(笑)、数多くの鏡筒(の写真)を見るにつれ、そして、天体望遠鏡を実際に使って不便に感じることが多くなるにしたがい、その写真を見ただけでも、その良し悪しが次第に分かってくるようになるよ、と、天体初心者には伝えたい。

さて、ここまでは外観からわかる鏡筒の造りの良し悪しについて書いてきた。
が、肝心なのは撮影映像(と、書きつつ、実は撮影映像品質以上に造りが大事なのが、後々分かってきた。詳しくは後述)。

果たして、価格2倍の天体望遠鏡に買い換えたら、写りも2倍よくなり、アンドロメダ銀河の渦も写るようになるのか?

次回、実際に写してみての結果を比べてみる(予想外の結果だった)。

つづく

  ※教える▶ tweetLINEで送る   2023.07.29
銀河星雲マニア