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第42話 「アンドロメダ銀河撮影実験 その6」
福岡の光害地では、天体望遠鏡をタカハシ「FC-60CB」に買い替えても、アンドロメダ銀河の渦は写らなかった。そこで、こーなったら、真っ暗な場所で撮影するしかない!と思い「FC-60CB」を携さえ沖縄は宮古島へ飛んだ(1年前の自分ではありえない行動)。





宮古島は直角三角形のような形をしており、光害マップを見てわかるとおり、島全体が暗いわけではなく、真っ暗な場所は島の北端と南端のみだった。

そこで、遠征1日目は南端で、2日目は北端で撮影することにした。

<1日目>
南端は細長い岬となっており、見晴らしはバツグン!


動画


が、岬=見晴らしがよい=銀河星雲の撮影に最適!というわけではないことが夜になってわかる(鈍感)。

夕方になり、いつものとおり、三脚を設置し、その上に延長ピラーと微動雲台、天体望遠鏡を固定。この時、ちょっと風が強いな、と感じながらも「じき収るだろう」と思い、極軸合わせを開始。

が!
強風は全く収まらず、青線、赤線は乱れまくり、オートガイド不能=撮影不能状態に。
※風が原因で撮影不能になるのは、これが初めてだった。

つまり・・・

岬=見晴らしが良い=遮るものが何もない=海風が全く遮られない=年中強風=銀河星雲撮影に不向き

ということを、宮古島の岬にて知ったのだった(笑)。

少し場所を移動すれば風は収るだろうと思い、車で移動したものの、今度は見晴らしのよい場所がそう都合よく見つかるわけもなく、宮古島1日目は「岬は撮影には不向き」という知識を得ただけで終了(^_^;)


<2日目>
気を取り直し、今度は宮古島北端「池間島」に向かう。
「池間島」は島といいつつ、宮古島本体とは細長い橋でつながっていた。

前日の反省を踏まえ、「見晴らしがよく」「風の影響を受けない」撮影に適した場所をお昼過ぎから探すことにした。
そうしたところ、低い木々に囲まれ、それでいて見晴らしがよく、風の影響を受けない「フナクス海岸駐車場」という撮影に適した場所を発見し、車を停めた。



夕方まで車内待機していたところ、あたりはどんどん暗くなっていき、文字通り何も見えない世界になっていった。
何も見えない世界とは、自分の手足胴体さえ見えなくなる世界のことで、それは自分が透明人間になったんじゃないかと錯覚する世界だった。



そして時間経過後、見えてきたのが、生まれてはじめて肉眼で見る天の川!

が!

肉眼で見る天の川は写真で見る天の川とは大違いで、くっきりとその姿が見えるわけではなく、うっすらと何か帯っぽいものが見えるな、という程度だった(カメラの光センサーの感度と、人間の網膜センサーの感度の差が一目瞭然となった瞬間だった)



しかしそれでも、これが地球の属する天の川銀河の断面映像か!と思い、感動!!!
つまり自分はこれから、天の川「銀河」内の地球から、最寄りのアンドロメダ「銀河」を撮影するんだ!と視点は一気に、両銀河を俯瞰する場所に移動し、灌漑に耽った。


※「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニュアル」コチラ より転載

そして待ちに待ったアンドロメダ銀河撮影開始!
例によって1時間ばかりのライブスタック撮影!

そして、その結果が以下。





なんと「FC-60CB」+「宮古島の暗闇」でも、アンドロメダ銀河の渦は写らなかった!
ちなみに、この場合の「渦が写らなかった」の意味は・・・

●「ライブスタック」「画像処理なし」で
●よく見かけるアンドロメダ銀河映像のクッキリとした渦のようには

写らなかった、という意味。
ちなみに、アンドロメダ銀河映像のクッキリとした渦とは以下のようなもの



なんと、渦が写らない原因、ボトルネックは「望遠鏡」でも「撮影場所の暗さ」でもなかった!

今までの撮影結果をまとめると、こうなる。

<光害地 福岡での撮影結果>


<暗黒エリア 宮古島での撮影結果>


となると、残る改善手段は・・・

●撮影カメラ買い替え
●画像処理にしぶしぶ手を出す

となった。

つづく

  ※教える▶ tweetLINEで送る   2023.08.06
銀河星雲マニア